はだかのゆめ

2022.08.31

NEWS

出演者からのコメント

ノロ役:青木柚さん
初めてこの物語を読んだ時、いわゆるストーリーが描かれた台本というよりは、景色や匂い、音、時の流れがそのまま染み込んでいる本という印象でした。読めば読むほどその不思議な読後感に魅了される一方で、ノロを演じる上での手がかりをうまく掴めず、撮影前日まで当惑している自分もいました。ですが四万十を訪れた瞬間に、甫木元監督が大事にしているもの、したいもの、ノロや母たちの想いなどが、自分の身体の中でみるみる結びついていき、はじめてこの物語の輪郭に触れられた感覚がありました。完成した作品を観て、人が人を一心に想うことや、その土地でしか生まれない時間に溢れた作品は、きっと多くの揺らぐ心の拠り所になるのではないかなと思いました。ぜひ劇場でご覧ください。

母役:唯野未歩子さん
私の役は「息子を失った母親」でした。息子を失った母親は、老いた父親と暮らしていますが、自らも病に冒され、じきに訪れる死をみすえながらも、息子への思いを胸に抱きしめ『いま』という時間にじっと立ち尽くしている。大切な誰かを失ったときのこと、そのあとに残るぬくもりーー心にともる灯火のようなものが、淡くはかなくうつくしい高知の風景と、いきいきと生命力にみちた音の滴りに導かれ、この映画に、はっきりと映しだされているようにかんじました。若くゆたかな才能あふれる監督・スタッフと、素晴らしい音楽をかなでたビアリストックスに、拍手!!です!!!!

おんちゃん役:前野健太さん
脚本を読み終わり、タイトルを見て、思ったのは、自分が産まれた時のことでした。
むろん、覚えているわけはないのですが、想像しました。
「はだか」のはじまりを。はじまりの「はだか」を。
それからビアリストックスの音楽を聴いて、打ち震えました。

脚本は時間をかけてじわっと熱を帯びていく歌心で、
バンドの音楽は、短い時間の中で一瞬にして花を咲かせる歌心でしょうか。

これがひとつの映画の中で共宴するわけですから、楽しみでなりません。
もちろん四万十の風景が、ただでは終わらせないでしょう。
甫木元監督との出会いは、私にとって、突然吹いた強風のようでした。

じい役:甫木元尊英さん
五年前に娘と孫二人が帰郷した。年老いた父親のめんどうをみるためであった。
しばらく四人で楽しい日々を過ごしていたが、娘が病魔におそわれ、通院、入院を繰り返し、一年前に帰らぬ人となってしまった。
そのつらい思い、また懐かしい思いを映画『はだかのゆめ』に残そうとしたのではないだろうか。また母が育った里。すばらしい自然(山、川、田、畑)。周囲の人々の心のあたたかさを作品に残したかったのではないだろうか。
天国の娘も満面の笑顔で喜んでいるだろう。

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